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神戸ビーフより希少な「淡路ビーフ」を鉄板で味わい尽くす一日 — 海神人(アマン)の食卓「桟敷」

「淡路ビーフ」と「神戸ビーフ」、どちらが希少かご存じですか。

答えは——淡路ビーフです。血統をたどれば同じ但馬牛、しかも神戸ビーフになる子牛の約7割は淡路島生まれ。それでいて、淡路ビーフとして認定されるのは年間わずか150〜200頭だけ。淡路島まで足を運んだ人だけが出会える、”知る人ぞ知る”最高峰の和牛です。この記事では、その希少な淡路ビーフを鉄板で味わい尽くせる海神人の食卓「桟敷」を軸に、花の絶景・安藤忠雄建築・日本最古の神宮をめぐる、大人のための日帰りモデルコースをご案内します。

淡路島まで来たら、”神戸ビーフ以上に希少”なあの牛を

明石海峡大橋を渡って淡路島へ。玉ねぎ、生しらす、鱧(はも)、そして瀬戸内の海の幸——この島は関西屈指の”食の宝島”です。数ある名物のなかでも、通の旅人が本当のお目当てにしているのが「淡路ビーフ」。名前は知っていても、その正体を正しく知っている人は意外と多くありません。

実はこの淡路ビーフ、血統をたどると神戸ビーフとまったく同じ。どちらも兵庫県が誇る純血和牛「但馬牛(たじまうし)」から生まれています。しかも驚くべきことに、神戸ビーフになる子牛の約7割が淡路島生まれ。淡路島は、日本を代表するブランド牛を足元から支える但馬牛の一大産地なのです。同じ血を引く牛でありながら、肉質の審査基準の違いだけで「神戸ビーフ」と「淡路ビーフ」に振り分けられている。この事実こそ、淡路ビーフを味わう旅の面白さの入り口です。

数字のカラクリ — 基準は神戸が上、でも希少さは淡路が上

牛肉の霜降り度合いは、BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)という基準で数値化されます。この物差しで比べると、神戸ビーフはNo.6以上、淡路ビーフはNo.4以上。数字だけを見れば「神戸ビーフの方が格上」に見えるかもしれません。しかし、旅先で本当に価値があるのは「そこでしか出会えないもの」。市場に出回る量で見ると、淡路ビーフの方が圧倒的にレアなのです。淡路産の但馬牛のなかからさらに厳選され、認定されるのは年間わずか150〜200頭のみ。神戸ビーフが全国の百貨店やレストランで比較的手に入るのに対し、淡路ビーフは”知る人ぞ知る”超高級ブランド。淡路島という産地まで足を運んでこそ、その真価を存分に味わえる一皿なのです。

ちなみに、霜降りの数値が高いほど良いというわけではありません。濃厚でとろけるような強い霜降り、甘みが口いっぱいに広がる食感を求めるなら神戸ビーフ。一方、赤身と脂のバランスが少し広い淡路ビーフは、但馬牛本来の純血の旨味、雑味のない上品な脂をじっくり堪能できるのが魅力。「脂の甘さ」で選ぶか、「肉そのものの旨味と希少価値」で選ぶか好みが分かれるところですが、淡路島の旅なら、迷わず後者を選びたいところです。

「淡路牛」と「淡路ビーフ」はまったくの別物

旅行者が最も間違えやすいのが、名前のよく似た「淡路牛」との混同です。「淡路牛」は、淡路島での飼育期間が最も長い牛の総称。ここにはホルスタインや交雑種(F1)も含まれます。一方の「淡路ビーフ」は、最高品質の但馬牛から厳しい認定基準を突破した、ほんの一握りだけのプレミアムブランド。同じ「淡路」の二文字でも、中身はまるで違います。お店のメニューや土産物で見かけたときは、「牛」なのか「ビーフ」なのか、ぜひ表記を確認してみてください。この違いを知っているだけで、あなたの淡路島グルメ旅は一段と”通”になります。

希少な淡路ビーフを、目の前の鉄板で — 「桟敷(さじき)」

年間150〜200頭の淡路ビーフを、最高の状態で味わえる場所。それが淡路島西海岸に佇む「はじまりの島 海神人(アマン)の食卓」2階の鉄板料理「桟敷(さじき)」です。大自然のなかにひっそりと隠れ家のように佇む店内で、熟練のシェフがお客様の目の前で淡路ビーフをはじめとする淡路島の高級食材を焼き上げます。鉄板の上で肉が奏でる香ばしい音、立ちのぼる香り、そして仕上がっていく様子を眺めるライブ感。五感すべてで味わう美食の時間は、記念日や大切な会食、自分へのご褒美にふさわしい特別な体験です。落ち着いた空間と洗練されたサービスも魅力な施設です。

歩留50%” 桟敷のお肉がずば抜けて旨い理由

桟敷の淡路ビーフが評判を呼ぶ最大の理由が、職人の「歩留(ぶどまり)」へのこだわりです。歩留とは、ひとことで言えば「一頭の牛から、実際に食べられる極上のお肉がどれだけ取れるか」という割合のこと。塊肉からステーキ用のお肉に仕上げる段階では、余分な脂やスジを丁寧に取り除く必要があります。それらを削ぎ落としたあとに最終的に残る、”赤身と脂身の黄金比率”を指す言葉です。

桟敷では、この歩留をなんと50%まで削ぎ落とします。つまり、仕入れたお肉の半分しかお客様の前には並びません。旨味が最も凝縮された「中心の芯(極上部位)」だけを贅沢に切り出し、鉄板の上で最高の状態に仕上げる。職人の手による徹底的なトリミングが目指すのは、どの一口を噛みしめても、雑味のない純粋な甘みと柔らかさだけが広がる瞬間です。年間150〜200頭という希少な淡路ビーフから、さらにその半分だけ。この二重の贅沢が生み出す究極の食感は、まさにここでしか味わえません。歩留50%という驚異のこだわりを、ぜひ舌で確かめてみてください。

ペアリングも本格派 — 純米古酒&約200種のワインセラー

桟敷のもう一つの楽しみが、飲み物の充実ぶりです。兵庫の酒蔵の純米古酒をはじめ、全国から取り揃えた稀少な古酒。さらにソムリエ選りすぐりのワインは約200種類を完備しています。鉄板コースに合わせたペアリングで、淡路ビーフの繊細な旨味と上品な脂をさらに引き立ててくれます。

花と建築、そして希少な淡路ビーフ — 静けさを味わう西海岸の日帰りモデルコース

観光施設を巡る賑やかな一日ではなく、花の絶景、安藤建築の静謐、日本最古の神話の地、そして極上の食を軸に組み立てた、大人のための淡路島西海岸コースです。桟敷での淡路ビーフの鉄板ディナーをクライマックスに据えました。

9:30|淡路花さじきで、海へ続く花の丘を独り占め

標高の高い丘陵地に広がる、県立の入園無料の花園。眼下に大阪湾と播磨灘を見渡す開放的なロケーションで、季節ごとに菜の花、ポピー、サルビア、コスモスが斜面を染め上げます。丘の上は風があるため、スカーフや羽織るものを一枚持っていくと快適に過ごせます。朝いちばんの澄んだ空気のなか、花畑をゆっくり散策する時間は、大人の旅の贅沢な幕開けです。名前のよく似た「桟敷」との対比で、まさに”花の桟敷席”から一日が始まります。

11:30|モダン蕎麦割烹 Oh-SOBAR で、海を望むランチ

野島の海辺に佇む、洗練された蕎麦割烹。窓の外の水盤越しに海を望むデザインで、大きな窓に面したソファ席から水平線を眺めながら食事ができます。建物やインテリアのセンスは島の一軒とは思えないほど洗練されており、夕暮れ時なら格別ですが、昼も明るい海の眺めが心地よい席です。蕎麦懐石や天ぷらを含むコースなど、シンプルながら品のある料理が揃います。夜のメインに備え、昼はここで軽やかに——大人のペース配分が肝心です。席の眺望に差があるので、海側の席を希望するなら予約時に伝えておくのが賢明です。

13:00|のじまスコーラで、島の恵みをお買い物

廃校になった小学校をリノベーションした複合施設。校歌や卒業制作をそのまま残したノスタルジックな空間で、1階のマルシェには淡路島産の野菜や加工品、土産物が並びます。名物の玉ねぎチーズパンをはじめ、島の恵みを持ち帰る買い物の時間に。旅の記念に、家に帰ってからも余韻が続く逸品を選びたいところです。

14:15|本福寺 水御堂で、安藤忠雄の建築に沈み込む

このコースの”静”のハイライト。世界的建築家・安藤忠雄が手がけた本福寺 水御堂(みずみどう)は、蓮池の真下に本堂を埋め込んだ、比類なきコンクリート建築です。安藤が設計した厳密な動線に沿って歩くよう構成されており、蓮の浮かぶ円形の池を半ば占める本堂へは、池の中央を貫く階段を降りて辿り着きます。階段を一段ずつ降り、水面の下へと沈んでいく感覚は、他では味わえない建築体験。拝観料は400円、堂内は撮影禁止。朝や空いた時間なら、その静謐な空間を独り占めできます。喧騒から離れ、光と影、水と静けさに身を委ねる時間は、大人の旅にこそふさわしい滋味があります。

15:45|伊弉諾神宮で、”はじまりの島”の神話に触れる

日本神話で国生みを担ったイザナギ・イザナミを祀る、日本最古とされる由緒ある神宮。境内には樹齢800年を超える大楠がそびえ、その存在感からは確かな力を感じられます。池や花木、複数の社殿を擁する広い境内は驚くほど絵になる美しさで、静かで心が落ち着く場所です。淡路島が「はじまりの島」と呼ばれる所以を体感できる、旅の精神的な軸となる一社。参拝を終える頃には、夕方の柔らかな光が境内を包みます。

17:00|淡路夢舞台で、光と幾何学の建築散歩

再び安藤忠雄の世界へ。淡路夢舞台は、造成でかつて削り取られた山肌を、壮大な建築と緑で再生させたランドスケープ・プロジェクトです。百段苑と呼ばれる階段状の花壇、水と光が織りなす幾何学的な回廊、海へと開けたテラス——歩くほどに視界が変わる立体的な空間設計は、建築好きでなくても圧倒されます。夕暮れどきの斜光がコンクリートに落とす陰影は、まさにこの時間帯ならでは。ディナー前の腹ごなしに、静かに散策を。

18:30|「桟敷」で、希少な淡路ビーフの鉄板ディナー

一日の締めくくりは、海神人の食卓2階の鉄板料理・桟敷へ。年間150〜200頭という希少な淡路ビーフを、歩留50%のこだわりで削ぎ出した極上部位だけを、目の前の鉄板で。純血和牛の雑味のない旨味と上品な脂を、兵庫の純米古酒やソムリエ厳選のワインとのペアリングで愉しむ。花と建築と神話をたどってきた一日の余韻を、静かに味わい尽くす至福の時間をお楽しみいただけます。席に限りがあるため事前予約がおすすめです。

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